【素朴な疑問】骨のことなら牛乳に相談すればいいの?

ここでは、ネットで飛び交う「牛乳が骨の健康に良いか悪いか?」という論争について少し調べてみました。

骨粗鬆症予防のためにカルシウムを補給、というと真っ先に思い浮かぶのが牛乳ですが、牛乳だけで骨粗鬆症を予防するというのは難しい面もあるようです。

牛乳は有害?

ビックリしている女性画像子供の学校給食にも採用されているほどですから、牛乳は栄養豊富で体に良いというイメージがありますが、最近では牛乳悪者説もささやかれているようです。

有害説の一例としては、スウェーデンの研究者が発表した論文(「Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies」(BMJ 2014; 349))が挙げられます。

この中に、「牛乳をたくさん飲む人は死亡率が高くなっていた」「骨折する人は牛乳をたくさん飲む人の方が15%高くなっていた」という内容のものがあるようです。

たしかに、「牛乳には、骨を作るカルシウムが多く含まれている」が、「カルシウムが多いから骨が強くなる」というは、栄養学の表面だけを見た錯覚です。

牛乳にはリンというミネラルが非常に多く、カルシウムイオンを骨から血中に取り込んでしまいます。実際、牛乳の摂取量が多いノルウェー人の骨折率は日本人の5倍以上といわれています。

他にも、フィンランド(世界一牛乳を消費している国)では、骨粗鬆症が誘引となった転倒骨折を起す高齢者が多いというデータがあるようですし、「牛乳で身長は伸びるかもしれないが骨量が少なくなる」という説もあるといわれています。

体質や環境にあったものを適量に

牛乳に含まれる「乳糖」は小腸にあるラクターゼという酵素によって分解されます。

ただ、このラクターゼは日本人を含む多くのアジア人などの場合、離乳期以降は分泌されにくくなります。

これは「乳糖不耐症」と呼ばれ、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするといった症状が出ます。

一方、欧米人は成人してもラクターゼが分泌されているひとが多いのです。

このようなことから、牛乳を含む食品全般は体質や環境にあったものを適量摂ることが良いと考えられます。

どんな食品でも、摂りすぎれば体に悪影響を及ぼす可能性は出てきます。

カルシウムの摂取のためと牛乳ばかりを飲むのではなく、小魚や野菜など色々な食品からバランス良く摂ることを心がけた方が安心です。

牛乳に限らず、何か1つの食品や栄養素に頼り続ける(過剰摂取する)生活は健康的ではないということを心に留めておきたいですね。

同様に、骨粗鬆症予防のためにカルシウムばかりを摂るのではなく、コラーゲンビタミンDなどのその他の栄養素もバランスよく摂取したほうが良いともいえるでしょう。