骨粗鬆症を治すには

ここでは、骨粗鬆症の治療方法について詳しく解説しています。骨粗鬆症だと診断された場合を想定して、きちんと知っておきましょう。

骨粗鬆症の治療法

骨粗鬆症の治療は、食事や運動などの基礎治療・骨の強化と症状を抑制するための薬物療法といった2つの方法が行われます。骨折したことで骨粗鬆症が発覚した場合は、手術による治療を行った後、基礎治療・薬物療法によって治療する流れとなります。

食事療法・運動療法は、「すぐにできる骨粗鬆症の予防法まとめ」にも書かれている方法が用いられます。骨密度を減らさないための対処法を行いながら、骨粗鬆症を改善する投薬治療をすることで、骨密度の回復を促すことができるのです。

骨粗鬆症の治療で服用する薬

骨粗鬆症の治療で用いられる薬は、内服薬・注射薬・点滴の3種類です。薬ごとにそれぞれ骨粗鬆症への改善効果が異なります。また、最近では骨粗鬆症抑制に効果があるサプリメントとして、「メラトニン」も注目されています。

  骨吸収抑制剤(症状の進行を抑える薬) 骨形成促進剤(骨が新たに作られることを促進する薬) 骨代謝調整薬(カルシウムの吸収量を増やす)
内服薬
  • カルシトニン薬
  • ビスホスホネート薬
  • SEAM(サーム/選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
  • デノスマブ
  • 女性ホルモン製剤
  • イプリフラボン
  • ラロキシフェン
  • 副甲状腺ホルモン薬
  • ビタミンK2薬
  • カルシウム薬
  • 活性型ビタミンD3薬
注射薬
  • プラリア皮下注
  • イバンドロン酸ナトリウム
  • テリパラチド酢酸塩
点滴
  • ゾレドロン酸
  • アレンドロン酸ナトリウム
サプリメント
  • メラトニン

治療薬の副作用は?

骨粗鬆症の治療のため、どの病院でも治療薬は処方されます。上記の表にある薬は、どれも骨粗鬆症の予防・改善に高い効果をもたらすものですが、体に強い効果を与える薬は、得てして副作用の影響も強く表れるのです。

【内服薬】

カルシトニン薬・・・吐き気・食欲不振・多汗・ほてり・紅潮・発熱・アナフィラキシーショック

ビスホスホネート薬・・・便秘・下痢・腹痛・胃痛・胸焼け・顎骨壊死・顎骨骨髄炎・食道潰瘍・非定型大腿骨骨折

SEAM・・・多汗・ほてり・紅潮・発熱・足のけいれん・深部静脈血栓症・視力障害・肺塞栓症

デノスマブ・・・低カルシウム血症・顎骨壊死・顎骨骨髄炎

女性ホルモン製剤・・・めまい・ふらつき・かゆみ・発疹・多汗・ほてり・紅潮・発熱・倦怠感・乳がん・子宮体ガン(プロゲステロンとの併用で発ガン率低下)

イプリフラボン・・・吐き気・食欲不振・倦怠感・便秘・下痢・腹痛・胃痛・胸焼け・かゆみ・発疹・めまい・ふらつき

ラロキシフェン・・・吐き気・食欲不振・倦怠感・網膜静脈血栓症・肺塞栓症・深部静脈血栓症・下肢けいれん

副甲状腺ホルモン薬・・・吐き気・食欲不振・倦怠感・骨肉腫(動物実験の場合)

ビタミンK2薬・・・心筋梗塞の治療薬ワルファリンの効果減退

カルシウム薬・・・便秘・下痢・腹痛・胃痛・胸焼け

活性型ビタミンD3薬・・・カルシウム薬との併用で高カルシウム血症

【注射薬】

プラリア皮下注・・・低カルシウム血症・顎骨壊死・顎骨骨髄炎・アナフィラキシーショック

イバンドロン酸ナトリウム・・・倦怠感・便秘・下痢・腹痛・胃痛・胸焼け・低カルシウム血症・顎骨壊死・顎骨骨髄炎・アナフィラキシーショック・食道潰瘍・胃潰瘍・大腿骨の非定型骨折・関節痛・外耳道壊死

テリパラチド酢酸塩・・・吐き気・食欲不振・めまい・ふらつき・倦怠感・多汗・ほてり・紅潮・発熱・アナフィラキシーショック・かゆみ・発疹・高カルシウム血症の悪化

【点滴】

ゾレドロン酸・・・低カルシウム血症・急性腎不全・顎骨壊死・顎骨骨髄炎・アナフィラキシーショック・大腿骨の非定型骨折・関節痛・外耳道骨壊死

アレンドロン酸ナトリウム・・・めまい・ふらつき・多汗・ほてり・紅潮・発熱・便秘・下痢・腹痛・胃痛・胸焼け・かゆみ・発疹・低カルシウム血症・肝機能障害・顎骨壊死・顎骨骨髄炎・食道潰瘍・口腔内潰瘍・胃および十二指腸潰瘍・大腿骨の非定型骨折・外耳道骨壊死・中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群

【サプリメント】

メラトニン・・・吐き気・食欲不振・便秘・下痢・腹痛・体内のメラトニン生成力低下・短期うつ症状・不眠症・生殖機能低下

年齢に合わせた治療方法

骨粗鬆症は、年齢別に適した治療方法があります。年齢が高く、重度の骨粗鬆症であれば治療薬の処方が必要ですが、軽症の場合や若い世代の場合だと、薬以外の方法で治すことが一般的です。

治療薬は副作用もあるため、できるだけ薬に頼らない方法で骨粗鬆症の予防・改善を目指しましょう。

20代未満

【症状の原因】

過剰なダイエットによる栄養不足

【治療方法】

過剰な食事制限をせず、きちんとした食事を摂るようにする。その際、カルシウムやビタミン以外にも、脂質や糖質、タンパク質などの栄養素もしっかり摂る

20代~40代

【症状の原因】

20代未満と同じくダイエットの影響のほか、運動不足・栄養バランスの悪い食事・日の光に当たらない・ホルモンバランスの乱れ、といったことが原因として挙げられます。

【治療方法】

  • 運動不足・・・定期的な運動を行う
  • 栄養不足・・・栄養バランスを考えた食生活を心がける
  • 日照不足・・・夏場に木陰で30分、冬は日なたで1時間行う
  • ホルモンバランスの乱れ・・・ストレスへの対処と適度な睡眠時間を確保する

50代~60代

【症状の原因】

更年期障害によって、ホルモンバランスの乱れが原因であることが多い。

【治療方法】

栄養バランスのよい食事・適度な運動・十分な睡眠時間を確保することで、乱れたホルモンバランスを改善できる。

大豆イソフラボンなど、女性ホルモンに近い効果をもたらす成分を普段の食事で摂取すると効果的。

60代以上

【症状の原因】

女性ホルモン分泌量の低下・体のカルシウム吸収率の低下・体でビタミンDの生成量の低下が原因だとされている。

また、最近では睡眠時間の減少によって、メラトニン不足に陥ることも原因だともいわれている。

【治療方法】

食生活の改善のほか、骨吸収抑制剤や骨形成促進剤などを使用して、症状の進行を防ぐ。また、転倒によって骨折するリスクを防ぐため、バランス運動やストレッチなども行うと効果的。

骨粗鬆症は継続的な治療が重要

骨粗鬆症は風邪などの病気とは違い、薬を飲めばすぐに治るということはありません。生活習慣病のように、ふとした気の緩みで症状が悪化することもあるため、日頃から治療への取り組みを行い続ける必要があります。

医師から処方された薬を忘れずに飲み、アドバイスされた栄養管理・運動習慣を行うといった、自分でできる努力も欠かさず続けるようにしてください。