
骨粗鬆症は、簡単にいえば骨がもろくなる病気です。
この病気の恐ろしいところは自覚症状が少ないことであり、腰痛などの痛みや、転んだ時にカンタンに骨折してはじめて骨粗鬆症と気づいてしまうところです。
骨の回復には長い時間がかかるため、治療よりもむしろ予防を重視したほうが良いのです。
上の文章を見て「骨粗鬆症って回復するの?」と思った方も多いかもしれません。そういった、骨粗鬆症に関してよくある疑問点をここでは紹介していきます。
骨は肌と同じく新陳代謝が繰り返されており、破骨細胞によって既存の骨が破壊・吸収される(骨破壊)のに対し、骨芽細胞によって新たに骨が作られる(骨新生)といったサイクルを繰り返しています。
このサイクルによって、全身の骨の約5%は毎日作り変えられているとされています。
しかし、骨粗鬆症だと骨新生よりも骨破壊のほうが頻繁に行われるため、骨密度が下がっているのです。
よって、カルシウムをきちんと取り、骨新生のサイクルを骨破壊よりも活発にしてバランスをとることで、骨粗鬆症は治癒が可能になるのです。しかし、完治には長くて半年ほどかかることが多いため、普段から骨粗鬆症の対策を練る必要があります。
なお、骨粗鬆症の予防のためにはカルシウム600グラムが必須であり、治療の場合は倍以上のカルシウムを必要とします。ちなみに、600グラムを牛乳で換算すると、コップ三杯分です。
食事と同じくらい重要なのが、運動です。体を動かすことで骨に適度な負荷がかかり、その影響で骨が活発になるのです。
ウォーキングや階段の昇り降り、エアロビなど様々な運動方法によって骨は強くなるので積極的に運動をして骨粗鬆症を防ぎましょう。
なお、汗を大量にかいた場合は、水ではなくカルシウムなどが含まれたスポーツドリンクを飲むことをおすすめします。
なぜなら、人の汗にはカルシウムが含まれており、汗をかけばかくほどカルシウムが減ってしまうからです。この減少したカルシウムは、食事で補える量なのですが、ダイエット中だと満足にカルシウムを取らない人も多いため骨粗鬆症になるケースもあります。
また、激しいスポーツで骨に負荷がかかりすぎても骨折するリスクがあるので程々にしましょう。
一昔前に流行った都市伝説ですが、結構信じ込まれている人が多いです。
コーラなどの炭酸飲料が骨に影響を与えることはほぼありません。
しかし、コーラは糖分が高いため、過剰摂取してしまうと肥満や糖尿病を引き起こす恐れがあります。くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。
なお、同じ炭酸つながりで紹介しますが、実はビールは適量ならば骨粗鬆症対策の飲み物として効果があるとされています。ビールに含まれているホップが破骨細胞の働きを緩やかにするのが理由です。
ここで注意してほしいのは、あくまで「適量」だということが大前提であり、飲みすぎると肝臓に悪影響が及ぼされ、最悪の場合肝硬変のリスクなどが発生します。こちらは骨粗鬆症と違い、完治はできないので気をつけましょう。